この本にはコンパニオンサイトが有ります。この本の位置付け等も含め、大切な内容が書かれていますので、そちらの方もぜひ御読み下さい。
これまでで最高の読者コメント(最低はこのページの最下部に有ります。壮絶なるギャップの凄さをお楽しみください。)
『これ以上学習本はいらない』
「英語の達人」と称される方々が、自らの体験を英語学習法として紹介している本を、私はこれまで十何冊も読んできた。おかげで、その最大公約数をとって「大体こうすれば良いのだ」ということは分かってきた。しかし、所詮英語のプロやそれに近い方々が超人的努力を経て今があることを説いたものであり、英語と全く関係のない職業に就き、毎日忙しく働いている並の大人には、「時間があったら少しでも真似したいが、そっくりそのまま真似できない」学習方法が多かった。最近は必ずしも英語を職業としない方々がこの種の本を出版してはいるものの、「英語漬け」が可能であった時間を持てた人の体験談にはかわりなく、その「最大公約数」に差は感じなかった。
翻ってこの本は、確かに中国語の本かと一瞬間違えるような難しい漢字語が並んではいるものの、視点を普通の大人がどう勉強したら良いかという点に置いて書かれており、記述は論理的、加えて著者自身の英語能力を文章・CDの中でさらけ出し「所詮TOEIC/TOEFL満点でGRE
Verbal 89%でもこの程度なのですよ」と言っている。この真正直な姿勢には頭が下がったし、これまで幾らやっても英語能力向上を自覚できないで悩んでいた私は、なんとも言えない安堵感と今の自分にも自信を感じることができた。吉本よりも面白いジョーク(その全てに私は線を引いたが)も沢山盛り込まれ、実際読むと見かけより遙かに読者をリラックスさせてくれもする。
タイトルに書いたとおり、仕事を持つ並の大人がどう勉強したら良いのかを説いたこの本で、「英語学習法に関するハウツー本もこれで大体出尽くしたかな」と思わせる本であった。
(青谷注:普通の人はここまで壷には嵌りませんので、この方は優し過ぎで褒め過ぎです。本の内容も内容ですが、正直さを褒めて頂いたのが本当に本当に本当に本当に嬉しいです。誠実で正直に、小学校の道徳の教科書に書かれている様に生きるのが、学者・教育者としての僕のひとつの理想ですので。もちろん、出来てはいませんが。)
自薦のことば
キャッチフレーズは『英語力が欲しければ、先ず英語勉強力をつけよ』です。中学・高校時代の英語嫌いが大学で英語の大切さを悟り、TOEFLとTOEICで満点をとるまでに進化した自らの過去、アメリカでは移民に、日本では京大生に英語を教えた経験、週末の大学院(テンプル大学日本校)で学んだ英語教授法と学習法、それらの集大成がこの本です。タイトル通り、単なる英語の練習帳ではなく、英語学習が何であるかを学び、効果的で効率的な自分にあった学習法を編み出す力を培うことを目標としています。知識の二重螺旋や学習の四重螺旋など、最新の研究結果に基づいた緻密なフレームワークによる効率学習が特徴です。ただし、英語学習理論や英語教授理論の本ではありませんので、おびただしい数の具体例を挙げ、具体例群が自然と必要なフレームワークを形成する様にも工夫されています。
本書が目指す英語力とは、「教養のあるネイティブスピーカーと対等にコミュニケーションが出来る力」であり、グローバリゼーションの時代に求められる卓抜した英語力です。その異様に高い目標に大人の学習者が到達するのに真に「効果的な学習」、間違った方法では一生かかっても不可能な英語力を数年でつける「超効率学習」が本書の骨子です。ネイティブ並の力がすぐに付くほど英語は甘くありませんが、従来のやり方では不可能なレベルへの到達を有限の時間で可能にするのがこの学習法です。「超効率」とはその程度の意味に過ぎないのかと、がっかりしてはいけません。TOEICとTOEFLが満点、1979年から英語検定1級、アメリカ生活20年の僕が常々言い続けているのは、「僕の英語力は典型的な京大の教員の一億倍、しかし、ネイティブスピーカーの一億分の一」であるということです。けっして英語をなめてはいけないのです。
ここ2,30年、特に過去10年で大人の外国語習得の実態が次々と明らかにされて来ました。とりわけ、昔ながらの英文暗記や反復練習などで身に付く力と、英語の運用能力とは脳の働きという最も根本的なレベルで別物である事が分かるなど、画期的な成果が出ています。これらの研究の結果を自分の勉強に取り込まない手はありませんね。
アマゾンの『学習法』で売り上げランキング1位(1時間ごとの更新ですので、1位の時も5位以下の時もあります。頻繁に順位が変わるので、恒常的にチェックは出来ませんが、本全体では最高でも400位くらいで、最低は50,000位くらいです。『鋼の錬金術師』、『ファイナルファンタジー』、更に芥川賞などの受賞本との競争ですので、仕方が有りませんが。)

オンライン書店ビーケーワンで『おすすめ』:売り上げランキング3位(2005年10月初旬のデータです。)

DHC出版事業部のサイト
http://www.dhc.co.jp/d_pub/books.html
本の構成はだいたいこんな感じです。
PART 1
第1章 英語の大切さ、英語の強さ
英語の大切さ
数字で見る英語の広がり
英語はなぜ強いか
英語はどう強いか
第2章 英語学習のためのフレームワーク
英語学習のフレームワーク
l
英語力と二つの知識体系
Ø
Explicit KnowledgeとImplicit Knowledge:Declarative
KnowledgeとProcedural
Knowledge(潜在的な知識と顕在的な知識:宣言的知識と手続き的知識)
l
4つの側面から攻める英語学習:言語学習の四重螺旋(The Four Strands‐意味の授受を中心とした三側面と、言語形式の学習)
l
双方向的言語使用(Interactive Language Use)
l
部分と全体を理解する:Analytic/Local Abilities and Holistic/Global Abilities
l
自動車に乗るように英語を話す:Automaticity(自動性)
l
国語力は英語力の栄養になる:Language Transfer(言語転移)とThreshold
Hypothesis(しきい仮説)
l
上から全体を理解するか下から一つ一つ理解するのか:Bottom-Up Processing(上昇処理)とTop-Down
Processing(下降処理)
l
詳細にこだわる「精」と量をこなす「多」:Intensive(精)とExtensive(多):きかい的vs.りかい的
l
英語学習には動機も重要な要素:Motivation
l
感情の影響は避けられない:Affective Factors(情意要因)
l
この本の学習法に偽りなし:Face Validity(額面妥当性)
l
まとめ
◆ ◆ ◆
l
英語力の三要素:Accuracy、Fluency、Complexity
Ø
Accuracy(正確さ)
Ø
Fluency(流暢さ)
Ø
Complexity
脳の話
l
正のフィードバックループ
l
これまでのまとめ
Part U
第3章 再出発の英語とていこく主義
l
再出発の英語
Ø
発音
Ø
アクセント
Ø
文法
Ø
音読
l
英語ていこく主義の勧め
第4章 4技能の総合的養成
読む
l
さまざまな「読む」(これを新設)
l
音読
Ø
言語形式の焦点化(Focus-On-Form)のための精音読
²
初心にかえる 音源1:中学や高校の教科書のCDやDVD
²
タダの音源がある! 音源2:Voice of AmericaのSpecial
English
²
レベルに合った音源は? 音源3:NHK英語講座
Ø
多音読とは?
²
基本は筋トレと同じ
²
筋トレの先にあるもの:Interactive Language
Useの予備練習
²
会話を中心に朗読(感情を込めて朗読する→リズムやイントネーションを含めた音読)
Ø
録音によるフィードバックの大切さ
Ø
速音読(ジョギングと全力疾走)
l
黙読
Ø
言語形式の焦点化(Focus-On-Form)のための精黙読
² 受験参考書
² TOEICとTOEFLの問題
² 新聞の要点
l
l
International
Herald Tribune/The Asahi Shimbun
l
The NY Times
Ø
多黙読
²
意味重視のインプット(Meaningful Input)と流暢さの養成(Fluency Development)
l
意味重視のインプット(Meaningful Input):精読材料の使いまわし
Ø
Voice of AmericaのSpecial English
Ø
段階別読本(Graded Readers)
l
意味重視のインプット(Meaningful Input)と言語形式の焦点化(Focus-On-Form)と内容学習(Content Learning)の組み合わせ:役に立つものを
l
意味重視のインプット(Meaningful Input)と言語形式の焦点化(Focus-On-Form):おもしろいものを
l
流暢さの養成(Fluency Development)(速読へのイントロとなっている)
l
速黙読
書く
l
言語形式の焦点化(Focus-On-Form)と意味重視のアウトプット(Meaning-Focused Output):精書(イントロ)
Ø
英語の日記
Ø
TOEFLの作文問題
l
意味重視のアウトプット(Meaning-Focused Output)と流暢さの養成(Fluency Development):多書
Ø
就寝前の3分間日記
Ø
TOEFLの作文問題
Ø
講義ノートなどを英語でとる
聴く
l
聴解の難しさ
l
精聴
Ø
TOEFLとTOEICの短いリスニング問題
Ø
音読教材の再利用
Ø
Voice of AmericaのSpecial English
Ø
Voice of Americaの一般プログラム
Ø
Randall’s ESL Cyber Listening Lab
l 多聴
Ø
CD・DVD・テープ
Ø
英語放送
Ø
インターネット
Ø
National Public Radio (NPR)
Ø
Talk Radio
Ø
インターネットのテレビ
Ø
Yahoo! News(http://story.news.yahoo.com/)
Ø
ネット配信のLive TVやOn-Demandビデオ
Ø
Annenberg/CPBの教育番組
Ø
NASA, ResearchChannel,
On-line Shopping
l
聴解番外編
Ø
Dictation
Ø
聴解とは
Ø
聴解力の向上とは
Ø
選択的リスニング(Selective
Listening)
Ø
双方向的リスニング(Interactive
Listening)
話す
l
精話
l
多話
Ø
ひとりでもできる会話練習法
²
独言
²
口頭日記
l
小学生の日記
Ø
接ぎ木方式
Ø
Modular方式
l
大人の日記
²
口頭課題作文
²
多重人格
l
ロールプレイング(role playing)
l
掛け合い
²
432また321 Training
Ø
双方向的言語使用(Interactive Language
Use)
²
正しいネイティブスピーカー信仰
²
間違ったネイティブスピーカー信仰
²
ノンネイティブの先生選択の落とし穴
²
日本人同士
l
昼休みの15分会話
l
世間話
l
トピックを決めた会話
l
小課題による学習(Task Based Learning)
Ø
地図上の目的地に達するtask
Ø
地図や図形を描くtask
Ø
誘導式および非誘導式ロールプレイング(Guided
and Unguided Role Playing)
²
ネイティブスピーカーとの訓練
l
真正なインプット(Authentic Input)
l
知識・情報・技能の提供(Resource Person)
l
進行役・まとめ役(Facilitator)
英語を使う
l
英語を使って英語持ちになる
l
英語を「使う」とは?
l
「使う」英語の使い方
l
実際に「使って」みよう
Ø
書く
Ø
読む
Ø
発話
Part 3
第5章 英語らしさをめざして
l
英語における方向感覚
l
「英語で考える」とは?
l
これより三やく(ズレ訳・略訳・意訳)
Ø
意訳
Ø
ズレ訳と略訳
l
多訳
l
英語らしい英語とは?
Ø
発音
Ø
リズムとイントネーション
Ø
慣用は肝要
あとがき
これまでで最低の読者コメント(最高はこのページの最上部に有ります。壮絶なるギャップの凄さをお楽しみください。)
『著者の自己満足の本だ』
私の語学力はTOEIC940、TOEFL620で英語は指導者としては入口に立った程度ですが、学習者としては上の下といったところでしょう。しかし、私にとってもこの本の内容はとにかく取っ付きにくく無意味な専門用語が乱発し、非常に理解しがたいものです。他にももっと良い英語の勉強法の本などがあるので、読者の立場にたって書かれた本を読むことをお勧めします。自己満足のために書かれた典型的な書籍のように思います。青谷氏の語学力には遠く及びませんが、”実力者=良い指導者”でありません。
(青谷注:ここまで肌に合わなければ、当然この本は無価値でしょう。自分に適した勉強法が見つかると良いですね。ただ、TOEIC940やTOEFL620は、英語が専門ではない京大生が、僕の提唱するやり方で夏期三ヶ月の超集中学習(京大生の超集中ですから、意味は分かりますね)で取る点ですから、こういう人にここまでの判断力が有るのかどうかは疑問です。尤も、国民全体が等しく英語力の無い日本では、このレベルの人が既に上級者であるという、その事実の方がもっと大きな問題でしょう。)